『打ち上げ花火、下から見るか?横から見るか?』を見た

のんびり日記

ネット上ではあまり評判がよろしくないっぽい『打ち上げ花火、下から見るか?横から見るか?』見ました。
「いまいちなの?」と期待せずに見たせいもあってか、なかなか良かったです。

確かに『君の名は。』を想像していくと、どうしても肩透かし感はあります。
ここがクライマックス~!!という盛り上がりもあるような、ないような……。

そういう意味では「金返せー」と言ってしまう人の気持ちも分からなくもない。
まあ映画をよく見る人ならこれくらい「映像の美しさで乗り切った作品」「フワッとした終わり方」なんて珍しくはないでしょうし、『君の名は。』と比較されなければ、まあまあ良いんじゃないかなあ。

声優さんはたくさん名前が出ていますが、満足できるほどしゃべってくれているの宮野真守だけ。梶くんはぴったりの役で(毛の延びた子猫丸?)かわいかったのでまあ良しとするか……。他は期待するほど出番はなかったです。おそ松ーもっとしゃべれー。

タイムリープものとしてどうか?

最近タイムリープものに触れる機会が多かったんですよね。
Netflixで藤原竜也の『僕だけがいない街』、『STEINS;GATE』、『ひぐらしのなく頃に』(これはパラレルワールドかな?)、『サクラダリセット』などを続けて見ていて、
小説で『ハリー・オーガスト、15回目の人生』読んで、『all you need is kill』を思い出したり。

みんな生死をかけてタイムリープしているので『打ち上げ花火~』に関しては「うーん、それで?」とショボショボ感が否めない。『時かけ』も最初はつまらない理由でリープしていますが、後々大変なことになるわけで……。

中学生にできること(望めること)だとどうしてもスケールが小さくなってしまう。
今回の場合、タイムリープしても「一緒にいられる時間が少し長くなるだけ」なんですね。
まあ、願いがショボくても話は大きく書けるとは思うのですが、いやいや、ネットをみるとそういう中学生の1日に感動している人もたくさんいるのだけれど、、、私なぁ『ハリー・オーガスト~』読んだ直後だからなぁ。。

タイムリープが好きで未読な方はぜひ『ハリー・オーガスト、15回目の人生』(クレア・ノース)を!とても面白いですよ。
「死ぬと、生まれた時点に戻って人生が再び始まる体質の人たち」のお話です。どんな体質やねん!ですが、読めば分かる!!
読んだ後、主人公と同じだけ生きた気がして少し人生に疲れます(?!)、なんか「長生きしたなぁ」って気になっちゃう。
まあとにかく面白いので読んでくださいね。

中学生の恋愛では泣けない

『時かけ』や『君の名は。』と『打ち上げ花火~』が違う一番のポイントは主人公が中学生だということ。
今回「中学生の恋愛では泣けないんだなあ」って思いました。

たとえば最初になずなのお母さんがなずなを連れ戻しにくるシーン、
本来なら物語が動き出す、大切な場面のはずなんだけど、叫んで嫌がる14歳の少女を引きずって去っていく母親なんて「児童虐待じゃね?」って関係ない部分に気がいっちゃう。
「恋のすれ違い」以上に、なずなの今後の生活環境とかそっちの方が気になるわけです。

次に、なずなの母親の再婚相手が、すがりつく典道をグーで殴るシーンがあるんですけど、
執拗に追いすがったわけでもなく、向こうから暴力をふるってきたわけでもない子どもを、いきなりグーで殴れるような男性って「人間性を疑ってしまう」し、「そんな男と再婚していいのか、なずなのお母さん!!」

恋物語には「障害」、「敵」が必要ですが、小中学生の場合「敵」といえば親や教師がなりがちですよね。
でも親や教師と敵対すると、どうしても「子どもの健やかな成長」に支障をきたさないのか、の方が心配になってしまう。
「思春期がどうとか、初恋がどうとか、言うてる場合ちゃうで!」と思ってしまう。

そうそう、子どもの恋心といえば『天空の城ラピュタ』がありますが、パズーとシータだと二人が引き離されるシーンなんかでは心置きなく「切なく」なれます。
あれは、きっと「敵が親じゃないから」かなと思うんですよ(親戚だけど)。そもそもリアリティのない「ファンタジーだから」ってこともあるけど。
パズーたちは子どもとして大人から理不尽な扱いをうけていても、親から抑圧されるほどの「どうしようもない感」はないんだな。だって逃げればなんとかなるもの。

やっぱ、子どもにとって親って絶対権力だ、親が敵って「絶望」ですよ。
だから物語ってよく「ラスボスがお父さん」になるんだな。

なんてことを考えました。

ループかリープか

打ち上げ花火の感想をネット上で探すと「タイム・ループ」って書いている人が何人かいたのですが、「ループ(loop)」だと「輪」なので『all you need is kill』みたいに、同じ時間を何回も繰り返す場合を指すんじゃないかな。
『打ち上げ花火』は『時かけ』と同じように毎回の「起点と終点」がバラバラなので、「リープ(leap)跳ぶ、跳躍」のほうが適切ではないでしょうかね。

エンディングは最高に良かった

DAOKO × 米津玄師『打上花火』いい。


米津玄師のライブ、CD買って申し込む先行予約で外れたんです!どんだけ人気なんだ。
娘が興味を持ったので「親子ライブデビューしようかしら?」なんて甘い考えを起こしたのが悪かった。
一人だったら当たってたんじゃないかな、とずっと後悔しています。

余談

なずなを「ミステリアスな少女に見せたい」のが「やりすぎ」で、「これじゃただのメンヘラ女だろう」って思っていたら、サークル仲間のブログにも「メンヘラ、メンヘラ」って書いてあって笑った。だよね、あれはちょっと「別世界へいっちゃってる目」だよねぇ。